コラム「復・建|日刊紙 日刊建設タイムズ

  1. ホーム
  2. コラム「復・建」

2012/04/16

復興需要で懸念される格差

▼ 世界を相手に戦う「侍」には、胸がときめく。さしずめ昨年なら「なでしこジャパン」のW杯優勝が、震災後の私たちに大きな希望を与えてくれた。女子に「侍」とは失礼かもしれないが、気迫といい粘りといい、まさに「侍」そのものだった
▼ 今月9日に大リーグで初先発したダルビッシュ投手も、海を渡った「侍」として初陣を飾った。しかしその内容は、初回から乱調ぎみで、本来の投球からは程遠かった。いきなりの快刀乱麻のピッチングを期待しなかったといえば嘘になるが、環境も考え方も日本とは大きく違う。むしろ、3回以降立ち直った粘りは立派だった。15日のメジャー2度目の登板を見ても、今後は確実に上向いていくはずだ
▼ このデビュー戦ではイチローとの対戦も見ものだった。結果は3安打と、イチローが大リーグの一流打者の凄みを見せつけたが、こうした夢の対決が続くかと思うと、わくわくする
▼ イチローのイチローらしさは、この公式戦初対決後のコメントにも表れていた。ダルビッシュがイチロー自身の安打で降板する際、スタンディングオベーションにも帽子を取らなかったことを評価。「この内容では、というプライドが見えた。あそこで帽子を取ったら、大したことねえな、と思ったかもしれない」。ダルビッシュの一挙手一投足に、イチローはダルビッシュという人間そのものを見ていたようだ
▼ 「世界一」を目指す右腕と、その前に立ちはだかるイチローという高い壁。ハイレベルな戦いが、これからも互いのモチベーションを高めていくに違いない。

会員様ログイン

お知らせ一覧へ