コラム「復・建|日刊紙 日刊建設タイムズ

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2012/12/25

期待膨らむ「アベノミクス」

▼安倍新政権がきょう26日発足する。これまで長らく停滞感にさいなまれてきたせいか、政権発足までの足取りがいやに軽快に感じられたのは筆者だけだろうか。景気の悪い時の景気のいい話には何かとリスクが伴うものだが、それでも新政権の経済対策「アベノミクス」には期待が膨らむ
▼当面の焦点は何といっても、10兆円規模とされる大型補正予算だ。震災復興や防災・減災対策が柱になるが、補正に盛り込む公共事業は今年度内に契約し、6月までに執行できるものが対象となる。地方自治体向けで公共事業関連の交付金が積み増しされる可能性も大きい。これだけを見れば対処療法の域を出ないかもしれないが、まずは景気浮揚への第一歩と考えたい
▼民主党政権の3年間で公共事業は毎年10%程度の減少を続け、2012年度(当初予算)の4・6兆円は、ピーク時だった1997年度の9・7兆円の半分以下だ。鉄道や道路などが老朽化していくのは紛れもない事実で、高度経済成長期に造られたインフラが数多く存在する現実を考えれば、老朽化対策は喫緊の課題といえる。民主党政権で「コンクリートから人へ」振れすぎた面を、新政権にはぜひ軌道修正してもらいたい
▼さて今年も残すところあとわずか。わが身を顧みてやり残したことも多い気がするが、何はともあれ無事の越年を良しとしたい。東日本大震災から2年となる新年が起死回生の年となるよう願わずにはいられない。後々振り返ったとき、沈没しかけた日本が再浮上する転換点だったと思える年にしたいものだ。

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