コラム「復・建|日刊紙 日刊建設タイムズ

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2013/03/05

高めたい著作権への意識

▼弊社が加盟する日本専門新聞協会主催の「著作権法セミナー」が先月、都内で開かれ、弁護士の前田哲男氏が、報道人として知っておきたい著作権法のポイントについて講演した。一般知識としてはもちろん、報道に携わる者にとって精通していなければならない問題だと痛感した
▼著作物とは一言で言えば「思想または感情を創作的に表現したもの」で、文芸・学術・美術・音楽の範囲に属するものをいう。逆に、創作的な表現といえないものは著作物ではないことになり、「事実・事件そのもの」「思想・アイデア自体」「ありふれた表現」などがこれにあたる。ただ事実・事件そのものでも、どういう事実を選択し、どのように配列して記載するかに創作性(その人の個性)がある場合は、創作的な表現になる
▼新聞記事の見出しや書籍の題名・登場人物名もありふれた表現にあたり、著作物ではないとされるが、なかには創作性のある見出しや交通標語などもあり、注意が必要だ
▼写真は、素人が撮影したスナップ写真でも著作物として扱われるのが通例。一方で意外だったのは工業製品のデザインで、原則として著作物ではないとされ、たとえばポルシェのデザインに著作権はない。大量生産され、美的鑑賞の対象にならないからだが、これにも例外があり、博多人形や仏壇彫刻、はたまたドラえもんの形の目覚まし時計などは著作物になる
▼かくして著作権にはグレーゾーンや例外が付きまとう。著作権侵害を防ぐには結局、個人の意識を高めることで確率を低くするしかないらしい。心して日々の仕事にあたりたい。

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