コラム「復・建|日刊紙 日刊建設タイムズ

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2020/03/03

3・3突然の休校要請の行方

▼あまりの唐突な決定に驚きを禁じ得なかった。新型コロナウイルスの感染拡大防止のための小中学校などの臨時休校要請だ。この決定が奏功するか否かは全くの未知数だ▼安倍首相によれば、臨時休校の要請の対象は全国全ての小中高、特別支援学校など。しかも、週明け3月2日からの休校という性急さだ。一刻の猶予も許されない状況はわかるが、学校関係やひとり親や共働きの家庭などの混乱は避けられそうにない
▼2月27日の要請表明では保護者の出勤が難しくなるなどの問題への対応策が説明されず、混乱が広がった。29日には首相官邸で記者会見を開き、集団感染といった事態への対応の理解を改めて求めた▼保護者の休職に伴う所得減少に対応する新たな助成金制度を打ち出すとともに、学童保育についても各自治体の取り組みを支援するとした
▼「判断に時間をかけているいとまはなかった」と釈明したが、これまでの新型コロナウイルス対応では「後手後手」との批判が渦巻くなか、起死回生の一手を打とうとしたのだろう。事実、一部の報道では、今回の首相の決断を後押ししたのは腹心の首相補佐官らによる進言とされ、首相の独断との論調も見られた
▼29日の会見で、一斉休校要請は「断腸の思い」と感情に訴える言葉が語られ、「ご理解」と「お願い」が繰り返された。社会に不安や混乱が急速に広まるいま、国民の不安を拭い去り、安心感を与える内容だったとは言いがたい
▼各自治体の反応もさまざまだが、本県の熊谷俊人・千葉市長は首相の会見後、自身の公式ツイッターに「演説もいいが、収入保障などについて詳細を早く言って頂きたい」と書き込んだ。また「休校しても学童保育を朝から過密状態で続ければ、感染リスクはむしろ上がる」と、至極当然の不安も指摘している
▼今回の休校決定に社会がどこまで対応できるのか、現状では見通すことが難しい。それでも一斉休校が感染の抑制につながり、各方面への影響が最小限にとどまることを期待するよりほかはない。

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