コラム「復・建|日刊紙 日刊建設タイムズ

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2021/04/27

酒とコーヒーの功罪

▼コーヒーと酒の功罪が書かれた記事を最近続けて目にした。最新の研究結果によるもので、どちらかといえば、コーヒー党にはありがたく、上戸には耳の痛い内容だ
▼コーヒーにはさまざまな健康パワーが秘められていることが次々とわかってきており、糖尿病や肝がん、大腸がんなどの発症リスクを下げる力があるとのこと
▼糖尿病は精神的なストレスが原因の一つと考えられるが、コーヒーは、このストレス抑制に効果がある可能性が高い。肝がんでは、コーヒーをまったく飲まない人の発生率を1とすると、週1~2回飲む人は0.75、ほとんど毎日飲む人は0.49と、大きく低下していた
▼死亡率でも、まったく飲まない人の全死亡リスクを1とした場合、1日1~2杯飲む人が0.85、1日3~4杯が0.76と、危険度の低下傾向がみられた
▼病気だけでなく、抗酸化作用のあるコーヒーにはシミを抑えるなどの美肌効果が期待でき、またコーヒーに含まれるニコチン酸には人体の老化の制御に関わるNADという補酵素があって、このNADを回復させる働きがあるという
▼こう書くといいことずくめのようだが、もちろんコーヒーに多く含まれるカフェインには覚醒作用の半面、不眠などの副作用があり、最もリスクを下げるのは1日に3~4杯と結論付けている
▼一方の酒のほうは、コロナ禍による外出自粛や在宅勤務のストレスから家での飲酒量が増える傾向が指摘されているが、近年の研究では、健康への悪影響を最小限に抑えるアルコール量はゼロ、つまり「まったく飲まない方が健康に良い」とする結果が報じられている▼酒の害を示す報告や研究はほかにも多々あるが、酒好きの方に「もう、たくさんだ!」と言われそうなので、このへんでやめておこう
▼かつてコーヒーは健康にはデメリットのほうが多く、逆に酒は「百薬の長」とも言われてきた。今後の研究次第ではまた違う科学的データが示されるかもしれないが、何事も程度問題、「ほどほど」が無難なことは言うまでない。

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