コラム「復・建|日刊紙 日刊建設タイムズ

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2013/01/28

高速道路渋滞

▼車ほど便利なものもないが、一方で移動時間の予測がつきにくいのが大きな欠点だ。その一番の要因は何と言っても渋滞だろう。仕事中に渋滞に遭えば、イライラが募り、気ももめる。年末年始や連休中にUターンラッシュなどに巻き込まれれば、楽しい気分も台無しになる。目的地に着いたときにはうんざりという経験は誰しもあるだろう
▼それにしても同じ地点で渋滞につかまることが多いのはなぜか。交通量が多い区間から少ない区間に変わる場所で渋滞が発生しやすいのはわかる。車の量が道路の交通容量を上回るためで、具体的には交差点や合流地点などがある。また、路上駐車や道路工事も渋滞の原因となるが、この場合は路上駐車や工事がなくなれば、おのずと渋滞も解消する
▼不思議なのは、信号もない高速道路で工事や事故もないのに急に渋滞につかまるケース。その多くは、“ザグ部”と呼ばれる「下り坂から上り坂に緩やかに変わる区間」に原因があるそうだ。つまり、緩やかな下り坂を走行してきたドライバーが上り坂になったことに気づかず、下り坂のつもりでアクセルをあまり踏まず、車の速度が自然に低下し、後続車は車間距離をとろうと次々とブレーキを踏み、その結果、交通容量が低下して渋滞が発生するとのこと
▼なるほどと思いつつ、どこか釈然としない気もするのは、大半のドライバーにとって無意識のことだからだろう。ザグ部での渋滞対策には、ドライバーに速度回復を示すメッセージを電光掲示板などで伝える方法がある。高速道路上にはすでに全国約1600か所の情報提供装置「ITSスポット」が設置されているが、将来的には、自動車間で送受信する交通情報に自動運転技術を組み合わせて運転を制御するシステムの確立も期待される。Uターンラッシュが解消できたら、高速道路走行も楽しさを増すに違いない。

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