コラム「復・建|日刊紙 日刊建設タイムズ

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2012/02/14

間近に迫る人口減少時代

▼日本の総人口が1億と大まかにくくられるようになって久しい。現実には2010年時点で1億2800万人に達した総人口だが、この先、48年には1億人を割り、60年には3割減の8674万人まで減少するとの見通しが、国立社会保障・人口問題研究所から発表された。総人口1億とさえいえなくなる時代が半世紀後にはやってくる
▼今後も続く長期的な少子高齢化により、60年には10人のうち、4人が65歳以上のお年寄り、5人が15~64歳の学生・大人、1人が14歳以下の子どもという世代構成になる。現在はお年寄り1人を現役世代2・8人で支えている形だが、1・3人で支えなければならなくなる。新聞紙上等ではこれを「騎馬戦型から肩車型へ」、半世紀後の人口構成グラフを「上半身ばかり筋骨隆々の格闘家のようで、下にいくほどひ弱になる逆三角形」などという比ゆも見かけた
▼そんな人口減少時代の先陣を切って、本県の11年人口が統計開始以来初めて前年より減少した。ただし今回の減少の要因は、震災による液状化被害や放射能の影響とみられる。これらの問題が長期化すれば、人口の減少傾向も続く可能性が高い
▼震災の影響を差し引いても、リーマン・ショック以降、企業の経済活動の縮小などで東京圏全体が社会増(転入出の差による増加)の縮小に向かっているのは間違いない。経済・雇用状況の不透明感や、地価の下落に伴う居住地選択の拡大などを考えると、今後も社会増の著しい増加は望めない。人口減少に行政や住民がどう向き合っていくかが問われている。

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