ヘッドライン

  1. ホーム
  2. ヘッドライン
  3. 下請け実績評価を/企業局の入札制度に指摘/須永県議

2025/12/08

事業者:千葉県議会

下請け実績評価を/企業局の入札制度に指摘/須永県議

 12月定例県議会一般質問で、須永和良議員(千葉新政策議員団)が県企業局における水道老朽管更新工事の入札制度改善を求めた。須永議員は、入札制度について「同種工事の元請け実績が無い事業者は参入できない仕組みになっている。建築や一般土木と異なり、民間発注がほとんどなく、民間工事で元請け実績を積み上げることも困難」との認識を示した上で「入札参加できる事業者が増えず、国が求める計画的な老朽管更新の加速に逆行している恐れがある」と指摘。「下請け実績を十分に積んだ事業者には入札参加資格を与えるべき」と強調した。
 答弁に立った高梨みちえ副知事は、企業局の老朽管更新工事について「他の公共工事と同様、確実に完成するように受注者が工事の総合的な管理監督機能を担う必要があることから、元請けでの施工実績を入札参加の要件としている」と説明。
 元請け実績を有していない事業者が新規参入する方法として①市町村や企業団などの同種工事の元請け実績をつくる②元請け実績のある業者とJVを結成して元請け実績をつくる――を挙げた。
 対する須永議員は「市町村や企業団は、企業局の入札にならって要件を決めており、県同様に元請け実績を絶対条件としている。また、JV結成については、元請け実績のある企業から見れば競合他社を増やす行為であり、机上の空論」と一蹴した。
 野村宗作・企業局長は「県営水道事業において、水道管の更新工事はおおむね計画通り進捗している。当局で設定している入札参加資格要件によって入札に参加できる事業者が不足しているという事例も発生していない」と説明。
 将来的には事業者の減少が懸念されるため「他の水道事業体の受発注状況なども見据えながら対応を検討していきたい」と応じた。
 これを受けた須永議員は「事業者が不足していなければ、新規参入を阻んで良いということではない。入札参加のチャンスすら無いという不公平に対する改善も求めている」とした。
 他の事業体などによる工事への影響にも懸念を示し、「袖ケ浦市の特別支援学校の入札は管工事が不調となり、繰越すこととなった。また、銚子水産事務所空調設備改修工事は、指名競争入札にも関わらず不調となり、銚子土木事務所管内から、香取土木事務所管内、海匝土木事務所管内とどんどん範囲を広げ、12社を指名してもなお不調となった」と事例を挙げた。
 結びに「今後、体育館の空調設備や学校トイレの洋式化を進めていかなければならない中、今のような方式では入札不調が多発することになる」と警鐘を鳴らし、工事関係の入札制度の大本を所掌する県土整備部に対して「入札不調を防ぐとともに、公平なチャンスが得られるよう、下請け実績を評価する入札要件への改善を強く要望する」と述べた。

会員様ログイン

お知らせ一覧へ