コラム「復・建|日刊紙 日刊建設タイムズ

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2015/10/20

W杯で知ったラグビーの魅力

▼寡聞にしてラグビーがこれほど面白いものとは知らなかった。イングランドW杯での日本代表の活躍を見て、遅ればせながらラグビーの魅力に開眼させられた。何と迫力のある、手に汗握るスポーツなのか。そのことを、3勝を挙げた日本代表の頑張りによって知らされたのが何ともうれしい
▼初戦でぶつかった強豪・南アフリカに勝利した試合は「ラグビー史上最大の大金星」とまで言われ、世界を驚かせた。その反応に驚いたのはむしろ筆者のようなラグビー初心者のほうかもしれないが、知れば知るほど、それが本当にすごいことなのだと理解できた。この一戦でラグビーへの興味をぐっと駆り立てられた方も大勢いるだろう。やはり自国の活躍というのは説得力がある
▼今回の日本の活躍がラグビーに新風を吹き込み、ラグビー界の勢力図を変えたと言うメディアも少なくない。日本のW杯での過去の戦績は91年大会のわずか1勝。開幕前には日本が8強まで勝ち進む力があると言っても、本気にする海外メディアはほとんどいなかった。それが1次リーグ突破へあと一歩というところまで迫った結果は見事と言うほかはない
▼3勝1敗の戦績もさることながら、その試合内容も特筆に値する。ろくにルールさえ知らない筆者でも、その戦いぶりには1戦ごとに引き込まれた。身体能力に劣る部分を、無尽蔵のスタミナとアグレッシブな動きで補った。何度も繰り返される低いタックルが奏功し、日本の最大の武器である組織力が物を言った
▼それもそのはず、日本代表は世界一と言えるほどの練習量を積んできたという。練習は実に正直で、嘘をつかない。試合での選手たちの懸命な姿に勇気を与えられた人も多いはずだ。筆者の目にも、彼らの姿はいつしか神々しくさえ映っていた
▼今回の大会で〝日本ラグビー侮れず〟の意識を世界に植え付けることができたに違いない。自国開催となる19年大会が、がぜん楽しみになってきた。これからは正真正銘の1ファンとして精一杯の声援を送りたい。

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