コラム「復・建|日刊紙 日刊建設タイムズ

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2018/11/12

伊勢志摩サミット会場を巡って

▼伊勢志摩サミット(第42回先進国首脳会議)の舞台となった地を巡り、その会場である志摩観光ホテル(三重県志摩市)を訪れた。真珠の養殖で有名な英虞(あご)湾に面する賢島(かしこじま)に建つホテルには、サミット会場として使用された場所が今も記念撮影スポットなどとして残されている。美しい景観はもとより、ホテルのホスピタリティーやそこで供された料理をG7首脳は大いに堪能したことだろう
▼伊勢志摩サミットは、2015年6月に三重県志摩市での開催が発表され、16年5月26日・27日に開かれた。風光明媚な立地もさることながら、四方を水に囲まれた狭隘な島で、人の出入り制限が容易なことなど、警備上の利点も選定の要因となった。安倍首相の個人的な体験として、幼少期に同ホテルで食した伊勢海老のスープの味に感動したエピソードも知られている
▼サミット開催に際しては、ホテルを一時休館するなどして主要施設の改修を行い、16年6月7日に全館営業を再開した。開催後の17年3月にはホテル内の一角にサミット記念ギャラリーを開設したほか、宿泊者を対象としてサミットの足跡をたどる館内ツアーも開かれている
▼ワーキングディナーやランチミーティングなどが行われた場所には、主要7か国と欧州連合の旗が掲げられ、首脳が膝を交えて会談などを行った椅子やテーブルが当時そのままに再現されている
▼ホテルのベイスイート最上階の屋上庭園には、サミット第1日目にG7首脳陣の記念撮影に利用された場所があり、サミットのパネルとともに各国首脳の足跡をかたどったお立ち台も残されている
▼安倍首相を中心に一列に並んで撮られた集合写真はいまだ記憶に新しい。とはいえ、オバマ米大統領をはじめ、オランド仏大統領、キャメロン英首相、レンツィ伊首相と、いまとなってはいささか懐かしい顔も並ぶ。メルケル独首相も先月末、近く党首を辞任し21年には政界を引退する意向を表明した。世の流れとともに、政情の移ろいの速さにも驚かされる。

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