コラム「復・建|日刊紙 日刊建設タイムズ

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2021/02/24

コロナ禍で減ったもの

▼コロナ禍で私たちのライフスタイルは大きく変わり、多くの企業が逆風にさらされた。昨年1年間で現れた変化の指標を見ると、「なるほど」と納得できるものもあれば「意外」と思えるものもある。ただし意外なものでも、理由を聞けば「なるほど」と納得できるものが多い
▼商品の売り上げでは、医薬品の分野でマスクや殺菌消毒薬などが3~4倍に増えた。これは「当然」と、素直に納得できる。一方で、滋養強壮系のビタミン剤やミニドリンク剤は2割近く減ったという。ちょっと首をかしげたが、遅くまで残業する人が少なくなったからではとの分析に、これも「なるほど」とうなずける
▼菓子類では、チューインガムが約2割、キャンディーが約1割減った。特に口臭を抑えたり、リフレッシュ効果をうたったりする商品の減り幅が目立った。マスクなどの着用で「息のにおいを気にする機会が減った」との分析に、これまた「なるほど」となる
▼逆に、においの強い代表格のニンニクの売り上げは33%増えたというから、生活様式の変化がときには逆の作用を及ぼすことにも驚かされる
▼商品の大半が売り上げを落としたのが化粧品に分類されるもの。特に口紅は58%、ほお紅は37%の大幅な減少。男性用のシェービングも1割近く減少し、ひげをそる回数も減ったとみられる。スーツの売り上げも大きな影響を受け、2人以上の世帯のスーツへの支出額は前年から4割減ったという
▼商品以外では、街中の遺失物がぐっと減り、東京では過去最高だった前年の415万件余を3割ほど下回る見込みで、件数が前年を下回るのは07年以来。特に減少したのが土産類やカメラ類だそうだ
▼コロナ禍で影響を受けた商品や企業は数知れない。その反動のように売り上げを伸ばした商品や企業もあるものの、逆風を受けた多くの企業には一刻も早い立ち直りのきっかけをつかんでほしい。コロナ禍の収束が見えない中、売り上げの落ちた商品への対策をいかに講じていくか、生き残りへの課題は尽きない。

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