コラム「復・建|日刊紙 日刊建設タイムズ

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2022/04/20

会議の良し悪し

▼ビジネスに会議は付き物だが、会議が好きという人はどれほどいるのだろう。好き嫌いではなく、必要なものと考える人が大半ではなかろうか。ならば「良い会議」「悪い会議」の基準は奈辺にあるのか
▼このコロナ禍で会議のありようも様変わりした。オンライン会議が当然のものとなり、それに慣れたといっても、互いの距離はやはりリアル会議には程遠い。そのリアル会議もコロナ対策でスクール形式が増え、マスクにパーティション越しでは、相手の表情もわかりにくい
▼コロナ禍は会議のあり方を再考する絶好のタイミングともなったが、そもそも日本ではいつごろから会議が開かれるようになったのか。専門家によれば、古代には会議は開かれても議論した形跡があまりなく、具体的な会議のやり方が記録として残るのは、平安時代になってからだという▼「陣定(じんのさだめ)」という会議が9世紀後半ごろに始まり、身分の高い貴族たちが集められた。身分の低い人から順番に発言を求められ、その議事録が天皇に提出されたというから、発言にも相当のプレッシャーがかかっただろう
▼会議の発言についても「あいつは無能だ」「こんなことで間違えている」などと、辛らつな言葉が貴族たちの日記に残されており、かなり厳格なルールが敷かれていたとみられる。会議で身をすり減らす人も少なくなかったに違いない
▼院政が敷かれ、権力が肥大化する平安時代後期ごろには、会議も形骸化していったと言われる。いつの時代も権力の一極集中には弊害が伴い、会社レベルから国家レベルまで、それは今もさして変わらない
▼会議の良し悪しは①そもそも会議を開く必要があるか②その会議のゴールが明示されているか――などで、ダメな会議の特徴とは①会議が終わっても何も決まらない②終了時間に終わらず、延々と延長する③話し合わなくていいことで会議を開く――などと、専門家は指摘する
▼自分の胸に手を当ててみるほど、いよいよ肩身が狭くなる。リセットボタンを押す必要がありそうだ。

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