コラム「復・建|日刊紙 日刊建設タイムズ

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2022/11/29

熱戦続くW杯

▼中東で初の開催となるサッカー・ワールドカップ(W杯)は現在、グループリーグがたけなわだ。新型コロナウイルスの流行後、初めての有観客で開かれる世界的規模の大会としても大いに注目される
▼カタールという国名は知りながら、この国についてどれほど知っていたかと問われると、はなはだ心もとない。恥ずかしながら、今回のW杯を通じて知ったことも少なくない
▼国の位置はといえば、サウジアラビアに接し、面積は1万1400平方キロメートル。秋田県よりやや狭く、人口は約290万人。人口のうち9割が南アジアやアフリカ出身の外国人労働者とされ、夏場は気温が40度を超える。雨も極端に少なく、大半は砂漠地帯だ
▼主な産業は天然ガスや石油で、これらの輸出を支えに経済成長してきた。天然ガスの埋蔵量は世界3位で、日本は最大の輸出先の一つ。昨年の1人あたりの国内総生産(GDP)は6万9000ドル(約960万円)で世界8位。7位の米国とほぼ同水準で、27位の日本の1.75倍というから、面積は小さくとも資源大国の豊かさに驚かされる
▼そんなホスト国のカタールだが、一方で、大会に向けた施設整備などの建設に携わった外国人労働者が大勢亡くなったことや、適正な賃金が支払われない場合があること、さらには性的少数者への理解が低いことなど様々な問題が指摘され、欧米ではボイコットを訴えたり、公共の場所での中継とりやめなどの動きも出た。FIFAやカタール政府は、これらの問題の改善の取り組みや説明責任を果たす必要がある
▼わが日本代表に話を移せば、予選リーグ初戦の強豪ドイツ戦では見事な逆転勝利を収め、日本中が沸きに沸いた。試合場所が首都ドーハだったことから「ドーハの歓喜」などと舞い上がったのもつかの間、続く第2戦のコスタリカ戦では一転して苦杯をなめた
▼とはいえ、日本のW杯はまだ終わったわけではない。何が起こるかわからないのがサッカー。日本代表が一歩でも前進する姿を願い、精一杯の声援を送りたい。

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