コラム「復・建|日刊紙 日刊建設タイムズ

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2011/09/05

本県出身首相誕生に期待

▼船橋市出身の野田佳彦氏が第95代首相に就任した。千葉で生まれ育った国会議員としては初の総理大臣になる。まずは本県出身の首相誕生を歓迎したい。震災と原発事故の傷痕は深く、たなざらしの政治課題が山積する中で、地元のことばかり言ってはいられないが、千葉県の活性化や震災復興に、いやがうえにも期待は膨らむ
▼今回の代表選の演説で、野田氏は地味なようで意外に弁が立つとの評判を得た。自らをドジョウになぞらえ、「金魚をまねても仕方がない」と泥臭さを際立たせた。国民には、きれいごとはもうたくさんとの思いがあふれる。今度こそ看板倒れに終わらず、真の「有言実行」であってもらいたい
▼野田氏は、地盤も看板もなく、地道な活動を通して、県議からスタートし政治家としての頂点を極めた。そんな経歴に照らせば、田んぼにすむドジョウの例えは秀逸だった。新内閣もそのまま「どじょう内閣」との命名で落ち着いたようだ。この泥臭さ、ぜひ誠実さと一体であることを望みたい
▼野田氏は代表選で「民主党は崖っぷち」「日本再生へのラストチャンス」と訴えた。その危機感は正しい。人気も腕力もないから、チームワークで愚直に課題に取り組むという。そのためには、何より民意をくみ取り、政党が踏ん張らなければならない。お手並み拝見といきたいが、すでに日本政治は瀬戸際。残念ながら猶予はない
▼話はそれるが、筆者の家人は野田氏と小中学校の同級生だという。当時の印象は、頭がよい優等生だが、泥臭いイメージはなく、むしろ上品な印象だったとか。どじょうも遠い昔は泥の中にいなかったのかもしれない。

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