コラム「復・建|日刊紙 日刊建設タイムズ

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2023/04/28

少子化で止まらぬ人口減

▼総務省が先に発表した2022年10月1日現在の日本の総人口推計からは、いっこうに止まらぬ人口減少が浮き彫りになった。出生児数が死亡者数を下回る「自然減」は16年連続となり、減少幅も過去最大の73万1000人だった
▼外国人を含む総人口は1億2494万7000人で前年比55万6000人(0・44%)減。日本人に限ると、減少数は75万人で、これは福井県の人口に相当する数という。1年で1つの県が消滅するほどの減少数と考えると、今後の推移がますます懸念される
▼47都道府県のうち総人口が増えたのは0・20%増の東京だけで、21年には1995年以来となる減少を記録したものの、再び「東京一極集中」への回帰がうかがえる
▼これまで「自然増」を続けていた沖縄も返還後の1972年以降で初めて減少に転じ、前年比145人(0・01%)減の146万8000人となった
▼千葉県に限ると、外国人を含む総人口は626万6000人で前年比0・15%減。2年連続の減少となり、減少率は同じ首都圏の神奈川県(同0・04%減)と埼玉(同0・05%減)よりも大きい
▼県外からの転入者が転出者を上回ったため、「社会増減」は前年比0・35%増で、増加幅は東京、埼玉、神奈川県に次いで全国4位。一方、出生者より死亡者が上回り、「自然増減」は前年比0・5%減となり、人口減少の大きな要因となった
▼少子高齢化も顕著で、75歳以上の後期高齢者は、2021年の89万2000人から93万8000人となり、90万人を超えた。10年ごとの変化でも、2002年が36万4000人、12年が62万7000人と、急激な増加を示している
▼労働の主な担い手となる15~64歳の「生産年齢人口」は379万6000人(前年比0・1%減)で、ほぼ横ばいだが、15歳未満に限ると71万7000人(同1・4%減)と大きく減少した
▼少子化対策は待ったなしの状況だが、「コンパクトシティー」の整備など、人口減少を前提とした社会づくりも急務と言わざるを得ない。

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