コラム『復·建』

「都市型水害」教訓に

▼千葉県民にとっては、終戦81年さえかすんでしまうほどの今回の豪雨だった。13日夕から14日未明にかけて本県を襲った記録的な豪雨は、広範囲に被害をもたらし、「令和8年8月千葉豪雨」と名付けられた。豪雨災害での命名は、2020年に熊本県で発生した「令和2年7月豪雨」以来という

▼県内22市町に県初となるレベル5大雨特別警報が発表され、これまでに13人の死亡が確認され、1人が行方不明となっている。交通機関が止まった影響で、多数の帰宅困難者も出た

▼実を言えば、筆者は13日から14日にかけて他県へ出かけ、家を留守にしていたので、豪雨の状況をじかに感じることはなかった。しかし、豪雨の範囲が広がる様子や被害の深刻さをニュースで知るにつれ、他県にいる自分がもどかしく、自宅や仕事場などの状況がわからない不安も募った

▼この時点で自宅へ戻るわけにもいかず、豪雨が一刻も早くおさまるのを願うほかなかったが、報道では豪雨や被害が拡大の一途をたどるばかりだった。先月の熊本地震でも多くの被災者が自宅を離れず車中泊などを続ける様子に、被災の状況がどうあれ離れた場所へ避難しがたい気持ちが少なからず分かった

▼14日の昼頃、本県へ戻った際には、浸水などで放置された車があちこちに残されているのを見て、豪雨の爪痕を遅ればせながら実感した。冠水などで路上に放置された車両は一時2800台以上だったというが、レッカーが間に合わず、交通の支障となり渋滞を招いていた

▼自宅、社屋ともにそれなりの浸水はあったものの、軽度の被害で済んだことにひとまず胸をなでおろしたが、県下ではライフラインの復旧などにまだ時間がかかる地域も多い

▼「線状降水帯」が3回も発生した今回の豪雨は、日本列島の南に現れた巨大な渦「モンスーンジャイア」と、日本上空の冷たい空気がぶつかったことが原因とみられている。全国的にもこれまであまり類を見ない都市型水害の教訓を、今後の災害対策に生かしていきたい