コラム『復·建』

線状降水帯の正体

▼今年の夏は熊本地震に始まり、猛烈な豪雨が各地を襲うなど、自然災害のニュースを聞かない日はほとんどなかった。身近な千葉豪雨では筆者の自宅や社屋も浸水の被害に遭い、災害が自分事であると改めて痛感した。地球温暖化などの気候変動がさらに進めば、先行きがますます思いやられる

▼とくに千葉市は首都圏の主要な政令指定都市であり、全国的にもインフラ対策は遅れていないはずだが、それでも8月13日の豪雨で甚大な被害を受けた。冠水しやすいアンダーパスや、浸水した放置車両の撤去など、都市型浸水被害の新たな課題が浮き彫りになった▼豪雨の際によく聞く「線状降水帯」という言葉も、かつてはなかった用語だが、2014年の広島土砂災害で使用されて以降、この用語が一般化したと言われる。この自然現象自体は以前からあったと考えられるが、観測データの充実やコンピューターの機能向上により、その存在が認識されるようになったということらしい

▼線状降水帯のメカニズムは、いくつかの気象条件で積乱雲が「世代交代」しながら次々と同じ場所に生じ、激しい雨を長時間もたらすものだ

▼通常、雨を降らせる雲は大きく乱層雲と積乱雲に分けられ、乱層雲はしとしと降る長雨が続く一方、積乱雲は局地的な大雨の原因となる。積乱雲は以前ならば通常、1時間ほどの短い寿命だったが、近年はいくつかの気象条件が重なって激しい長雨となり、これが線状降水帯となる

▼こうした極端な豪雨が地球温暖化の影響かとの問いに、かつては厳密に「そうだ」と答えるのが難しかったが、近年はイベント・アトリビューション(EA)という技術が飛躍的な進歩を遂げたことで、温暖化との関係性が明確になっているという

▼いまだに地球温暖化を認めようとしない某大国の大統領も存在するが、過剰な人間活動が温暖化の要因であることは科学的にももはや疑いようがない。世界が多くの自然災害に脅かされている今、私たちはこの現実を直視しなければならない