本領発揮の千葉モノレール
▼8月の千葉豪雨時の活躍で評価を上げたものの中に、千葉都市モノレールがある。交通機関が軒並み運行を見合わせるなか、豪雨の影響を受けずに運行を続け、多くの帰宅困難者を自宅や一時滞在施設に送り届けたことで、水害に強い交通機関として存在感を示した
▼8月13日の夜にはJR千葉駅に帰宅困難者などが滞留するなか、午後7時半から臨時便を10本増発し、日付が変わった終電後も帰宅できなかった人のために運行を続けた。14日午前0時40分千葉発の最終臨時便は、駅に取り残されていた70人ほどを千葉市役所の一時滞在施設へ送り届けた
▼翌日以降、公式Xに「運行してくれて助かった」「終電延長ありがとう」「千葉都市神レール」など称賛や感謝の声が寄せられ、その後の報道では連日「美談」として取り上げられた。鉄道や道路が寸断する中で、本領を発揮し、活動の生命線を担ったと言える
▼軌道桁の下側に車体を吊り下げ、地上5~20mを走行する「懸垂式」のため、豪雨の影響を受けにくかったことが幸いした。モノレールには懸垂式のほかに、車両が軌道桁にまたがる「跨座式」があるが、懸垂式だったから豪雨下でも運行が可能だった。空中に軌道があるため冠水の影響を受けず、走行装置が車両をぶら下げる軌道桁の中に組み込まれていることから水に濡れなかったとされる
▼千葉都市モノレールは1988年開業で、千葉市などが出資する第3セクターが運営。検討段階では地下鉄なども選択肢にあがったと聞くが、道路事情や地形、工事費などを踏まえてモノレールが選ばれた
▼1994年度以降は債務超過状態に陥り、経営的に苦しい時期もあったが、2006年には事業再構築計画により開業以来初の黒字化を果たした
▼1999年に1号線を含む全線が開通し、総営業距離15・2㎞は懸垂式モノレールとして世界最長となり、2001年にはギネス世界記録に認定された。今回の豪雨時の活躍と相まって、千葉市の顔となる交通機関として改めて胸を張りたい。