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2026/02/18

事業者:千葉県いすみ市

遊休地活用で企業誘致/ 防災にフェーズフリー導入/小路正和いすみ市長就任インタビュー

 2025年11月30日投開票のいすみ市長選挙で初当選を果たした小路正和氏は、防災対策について、平常時と災害時の状況を区別しない「フェーズフリー」の考え方を積極的に取り入れ、「最少の経費で最大の効果」を上げることを意識し、防災力強化に寄与する公共施設やインフラ施設などの整備を推進する。また、旧中川小学校利活用事業の実績に触れ、「新たなインフラ整備が必要となるが、須賀谷地区や山田地区の遊休地を活用し、企業誘致に取り組みたい」と意気込んだ。

 ――市への思いや印象は。

 小路 生まれも育ちもいすみ市で、海あり山ありの豊富な自然、農業や漁業を中心とした食文化の豊かさ、大原はだか祭りなどの伝統芸能が息づくこの地に親しみや誇りを持っている。昔は街に活気があったが、時代の流れにより変化が生じている。太平洋沿いに連なるサーフポイント、いすみ鉄道の国鉄型気動車が走る昭和レトロな街並み、港の朝市などのポテンシャルが高い地域でありながらも観光資源を生かしきれていない。成田国際空港のさらなる機能強化や首都圏中央連絡自動車道(圏央道)の県内区間全線開通などによる経済波及効果に期待しており、市を含めた夷隅地域に多大な効果をもたらすインフラ整備が必要不可欠と考える。

 ――就任にあたっての抱負や展望など。

 小路 住民や市議会議員からさまざまな意見を聞いたところ、移住者や定住者の定着には医療と福祉の充実は欠かせない。いすみ医療センターをはじめとした地域医療、子育て支援、高齢者福祉の充実を図るとともに、物価高騰への対策にも力を入れていく。医療、福祉、経済の3つの柱を意識した上で、県議時代から訴えてきた道の駅やインフラの整備、企業誘致、産業の活性化などに取り組みたいと考えている。特に道の駅は、長生地域や夷隅地域の内陸側にはあるものの、海側には無いため、農産水産物やジビエを生かした観光の起爆剤となる施設を検討したい。

 ――公約に掲げた企業誘致は。

 小路 17年に閉校した旧中川小学校は、液晶ディスプレイの製造を手がけるJAPANNEXTが本社を置き、市税収入が好調となるなどの成功事例がある。県の工業団地予定地だった須賀谷地区や、西武グループが保有していた山田地区の遊休地を活用し、企業誘致に取り組みたい。特に須賀谷地区は、圏央道茂原長南インターチェンジから延びる長生グリーンラインに近いため、アクセス性に優れている。しかし、山林に位置するため、新たなインフラを整備しなければならない。そのほか、一大産業となり得る「いすみ市沖洋上風力発電事業」を進展させていきたい。そのためにも、漁業者との丁寧な合意形成を図る必要がある。

 ――津波など防災対策について。

 小路 平常時と災害時の状況を区別しない「フェーズフリー」の考え方を積極的に取り入れ、今まで別々だった観光と防災の予算を統合・圧縮し、最少の経費で最大の効果を上げ、防災力強化に寄与する公共施設やインフラ施設などの整備を推進する。津波対策に関しては、太平洋岸沿いの一般県道九十九里一宮大原自転車道線などをかさ上げするだけでなく、景色などの観光資源も考慮し、観光と防災の両立を図る。

国吉に「鉄の駅」を/ 鉄道存続へ拠点整備

 ――いすみ鉄道の存続について。

 小路 いすみ鉄道は、いすみ線苅谷踏切付近で発生した車両脱線事故に絡み、再発防止に向けた復旧を、大原駅・大多喜駅間を先行して進めていると聞いている。沿線住民の通勤・通学の足となるが、採算性に課題がある。鉄道の利便性向上と存続の後押しとして、各駅の観光資源を活用し、利用者増加に向けた仕掛けを企画する。特に国吉駅は、鉄道ファンの聖地となっているため、国吉神社、郷土資料館、文化とスポーツの森公園など周辺施設や国吉商店街と連携し、国鉄型気動車の活用や公園整備などによる観光拠点「レールパーク(鉄の駅)構想」を検討する。

 ――道路網の整備は。

 小路 夷隅地域の玄関口となり得る長生グリーンラインを含む地域高規格道路「茂原・一宮・大原道路」の完成には、かなりの期間を要すると考えられる。そのため、南総広域農道を起点とした大原地区・岬地区方面や勝浦市・御宿町方面へのアクセス向上を図るべく、広域農道の県道への昇格や、国道465号苅谷新田野バイパスのさらなる整備促進を県に要望していきたい。

 ――地域の建設業への期待は。

 小路 建設業では、担い手不足が深刻となっている。厳しい環境の中、地域の公共事業への力添えと、風水害発生時の協力や対応に感謝している。建設業が担っている役割は、市民が思っている以上に大きく、イメージアップなどにつながる広報活動を積極的に行っていきたい。

こうじ・まさかず
 1968年5月2日生まれ。いすみ市(旧大原町)出身。日本体育大学体育学科卒業。森英介・衆議院議員秘書、旧大原町議会議員、県議会議員を歴任。2025年11月30日執行の市長選挙で初当選を果たした。趣味は、柔道を主としたスポーツ観戦、マルシェめぐり、ドライブ、インスタグラム。座右の銘は「情熱と郷土愛」。

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