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千葉県南房総市

国保病院老朽化に対応/体育館空調設置を推進/渡辺秀和・南房総市長インタビュー

4月12日執行の南房総市長選挙で初当選を果たした渡辺秀和氏。県内自治体で最年少の首長となった同氏が、日刊建設タイムズの独占インタビューに応じた。公約の一つである「災害に負けないまち」を実現するため、災害時に広域避難所となる体育館の空調の設置を順次進めていくほか、富津館山道路の4車線化や館山・鴨川道路および東京湾口道路の整備について、国、県への要望を強めていく。富山国保病院に関しては、老朽化・耐震性の調査結果を踏まえ、現施設の改修や建て替えによる新設を比較検討する。


――市の印象と、まちづくりへの思いは。


渡辺 大学および大学院時代の6年間は市外に在住していたが、外から見ても魅力あるまちだと感じた。一方で、人口減少の時代において「課題の先頭を走っている」自治体でもある。大学でまちづくりを学び、それを実践するため、市役所職員として市民とともに携わってきた。市民、民間事業者を含め、市に関係する全ての主体が南房総を形づくっていると考えている。


――市役所職員時代の職務などについて。


渡辺 移住や二地域居住の施策を担当した。定住人口や交流人口の増加には、南房総の魅力・価値に気付いてもらえるまちづくりのプロセスが必要と感じている。


――市長就任に当たっての抱負と展望は。


渡辺 「話し合い、学び合い、共につくる」を基本姿勢としている。2028年度に始動する総合計画、まち・ひと・しごと創成総合戦略を策定する。次の10年、さらにその先のビジョンを打ち出していくときにこそ、南房総の未来を担う世代を含め、市民と忌憚(きたん)なく対話する機会を設けたい。


――3つの公約のうち、「災害に負けないまち」について。


渡辺 大規模災害においては、地域に対する行政の支援がすぐに届かない場合がある。そのため、自主防災組織などによる共助を図っていただくとともに、地域の避難所となる集会場などに対する必要な支援の内容を洗い出していく。また、広域避難所となる体育館を優先し、空調の設置を順次進めていく。さらに、能登半島地震の教訓を踏まえ、ライフラインとなる富津館山道路の4車線化や館山・鴨川道路および東京湾口道路の整備について、安房地域はもとより、君津地域や夷隅地域とも連携しながら国、県に要望していく。


――「3市1町の連携強化」については。


渡辺 館山市とは、定住自立圏構想などに基づき、公共交通ネットワークの整備や医療介護人材の確保など多岐にわたる分野で連携を進めている。安房郡市全体でも、水道事業の統合・広域化が実現した。これら広域連携無くして、県南部地域の発展はあり得ない。


――「エリアごとの特色化とインフラの広域化」の考え方は。


渡辺 例えば、高速道路を通じた南房総地域への玄関口となる鋸南、富山、富浦~館山で、連続性のある1つのエリアを形成するような広域的なコーディネートが必要。特に、館山市の中心市街地と連動しながらのまちづくりを改めて検討し、各市町が役割を果たしていくことが重要となる。南房総市内の旧町村界にとらわれず、より広域的な視点に立った将来像を計画や構想に落とし込んでいく。


――富山国保病院の存続に向けた老朽化対応は。


渡辺 老朽化や耐震性を明らかにするための調査が終了し、間もなく報告が上がってくる。建物躯体よりも、配管など設備の老朽化が進んでいるのではないかと予想している。現施設の改修や、建て替えによる新施設の建設について、費用などを比較しながら判断していく。


――庁内の業務改革について。


渡辺 この4年間が勝負となる。DXをしっかりと進め、職員が地域に出て市民の声を聴き、官民連携の推進に向けてやるべきことを整理できる体制づくりを実現したい。


――インフラ整備や災害対応を担う地元建設業への期待は。


渡辺 地域の底力となり、安心・安全を支えている大事な産業。元請けとしての経験を積んでいただけるよう、工種に応じた分離発注を基本としている。職人の皆さんにも適正な利潤が巡るよう、地力を付けていただきたい。


【略歴】

わたなべ・ひでかず

1991年、南房総市(旧・千倉町)出身。文教大学人間科学部人間科学科卒業、首都大学東京(現・東京都立大学)大学院人文科学研究科修士課程修了。2016年4月に南房総市役所入庁。25年11月に南房総市役所を退職し、26年4月12日執行の南房総市長選挙で初当選した。2児の父。「学生時代に汗を流した弓道を再開したい」と展望する。

渡辺秀和・南房総市長