千葉県山武市
松尾駅南口整備へ/IC周辺で産業用地整備/小野﨑正喜山武市長就任インタビュー
4月19日投開票の山武市長選挙で初当選を果たした小野﨑正喜氏は、松尾町地区の非過疎地域化に向け、JR松尾駅南側の利便性向上の取り組みとして、新たな改札を設置するとともに、公共交通を集約した南口を整備するとした。また、成田国際空港の機能強化や首都圏中央連絡自動車道の県内区間全線開通を見据え、「圏央道松尾横芝インターチェンジ周辺で適地となり得るエリアがあれば、多くの雇用が見込める製造業や生産業などの企業誘致を進めていきたい」と意気込んだ。
――市への思いや印象は。
小野﨑 山武市は自分が生まれ育ってきた場所。成田空港につながる圏央道が市内を通り、日本最大級の砂浜である九十九里浜の一部を有している。先人から受け継いだ歴史、文化、思いを次世代へとつなぎ、今の時代に即したまちづくりを行うという使命感を持っている。財政的に厳しい局面を迎えている中でも、地域のまちづくりなど必要な事業に対しては、限られた財源を効率的・効果的に配分し、未来を見据えた投資を行う。
――就任にあたっての抱負や展望。
小野﨑 市民が「山武市に住んでよかった」と誇りに思える市政を実現し、次世代にバトンを渡せるよう、バランスよく政策を展開する。また、圏央道や九十九里浜など地域が持っているポテンシャルを最大限に生かすためのインフラ整備などを図る。
――産業用地の整備について。
小野﨑 「SORATO NRT(ソラト ナリタ)」など成田空港の機能強化を周辺地域へ波及させる取り組みに対し、積極的に参画したいと考えている。また、圏央道の県内区間全線開通に向けた動きを好機と捉え、産業用地検討調査の結果などを踏まえ、産業用地として適地となり得るエリアを選定したい。特に松尾横芝ICは空港に近いため、多くの雇用が見込める製造業や生産業のほか、空港関連産業の需要も見越し、県と協議しながら企業誘致を進めていきたい。
――松尾町地区の過疎化対策は。
小野﨑 過疎地域持続的発展計画に基づき、事業を推進する。特にJR松尾駅に関しては、北側に改札口があるのみで、南側に行くには踏切を渡らなければならない。東日本旅客鉄道と協議し、南側に新たな改札の設置を計画している。改札を設置することにより、駅南側にある成田空港行きのシャトルバス停留所が利用しやすくなる。今後は、地域の要望を集約し、鉄道とシャトルバスの双方の利便性が向上する南口となるよう整備を進めていきたい。
学校統廃合視野に/改修や増築を検討
――教育施策について。
小野﨑 小中学校に関しては、児童・生徒数減少に伴う適正配置を踏まえ、統廃合も視野に入れた整備を図っていかなければならない。統廃合では、統合先となる学校の環境整備を優先し、改修、増築、空き教室の活用などを検討する。そのほか、各学校の照明LED化や冷暖房設備の整備を進めるとともに、山武中学校の大規模改修工事や成東中学校の校舎改築工事を推進する。
――防災・減災対策は。
小野﨑 海岸線を有しており、東日本大震災の時には津波による被害も発生した。県が設置した防潮堤、周辺の避難路、避難タワーは、今後の維持管理が課題となっている。また、平常時と災害時の状況を区別しない「フェーズフリー」の考え方を積極的に取り入れ、災害時にも活用できる移動式大型スポットクーラーなどの導入を検討する。
――洋上風力発電事業やCCS事業について。
小野﨑 九十九里沖では、国のCCS事業法に基づく首都圏CCS事業(二酸化炭素の貯留事業)や、国の「有望区域」に選定された洋上風力発電事業が計画されている。CCS事業は地域住民の抵抗感や不信感を払拭できるよう、安全性・信頼性に関する事業説明や情報開示が求められている。洋上風力発電事業は、九十九里漁業協同組合など漁業関係者との信頼関係の構築が必要不可欠。両事業とも具体的かつ慎重・丁寧な協議が必要と考えている。
――観光振興施策は。
小野﨑 県が蓮沼海浜公園の再整備を計画していることを踏まえ、主要地方道松尾蓮沼線沿いに位置する道の駅「オライはすぬま」の機能強化を検討する。敷地の拡張を行い、まずは駐車場台数を増やす。利用状況などに応じた段階的な整備を考えていきたい。
――地域の建設業への期待は。
小野﨑 風水害発生時には、地域の「守り手」として多大な力添えをいただいている。厳しい環境下の中、企業の維持や運営ができるよう、可能な限り地元発注を心掛け、良好な関係を築いていきたい。
おのざき・まさき
1969年1月20日生まれ。山武市(旧松尾町)出身。県立八街高等学校卒業。山武市議会議員を経て、県政に進出。県議会議員として、農林水産常任委員会委員長、総合企画企業常任委員会委員長を歴任。4月19日執行の市長選挙で初当選を果たした。趣味は、旅行や海釣り。座右の銘は「我思う故に我有り」。