コラム「復・建|日刊紙 日刊建設タイムズ

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2023/03/22

コロナを生きた3年余

▼新型コロナウイルスの感染者が国内で初めて確認された2020年1月15日から、3年と2か月余りが経つ。第8波に至るコロナの波を経て、ようやく収束の兆しが見えてきたとはいえ、私たちの生活は大きく変化した。ウィズコロナによる生活様式のあり方は今後も模索が必要だろう
▼今月13日からはマスクの着用が個人の判断とされ、新型コロナの感染症法上の類型も5月には季節性インフルエンザと同じ「5類」に移行する
▼振り返れば、この3年余りで多くの命が失われ、経済へのダメージも計り知れない。新型コロナの国内感染者は3000万人を超え、22年だけで2750万6727人に上った。死者数は6万人超で、22年だけで3万9165人に及んだ▼とくに22年に流行した感染力の強いオミクロン株は第6波となって、子どもにも広がり、感染者が爆発的に増えた。それでも、第5波のデルタ株より重症化リスクが低く、ワクチン接種率の上昇、治療薬の登場などで、致死率は低下した
▼高齢者の致死率も21年7~10月の60、70代が1・34%に対し、22年1・2月は0・70%、7・8月は0・18%と低下傾向が続いた。ワクチン接種の進捗により、肺炎などで亡くなる人が減ったことが理由として挙げられる
▼経済活動もコロナ禍で沈滞し、実質GDP(国内総生産)は20年度には527・4兆円に落ち込んだ。本格的な経済活動の再開で22年には550・3兆円まで回復したが、物価高騰(インフレ)という新たな課題に直面している。背景には、ロシアのウクライナ侵攻による世界的な原油や穀物価格の高騰などがある
▼日本経済は海外よりコロナ禍からの回復が遅れており、21年には消費の回復が期待されたものの、成長率は実質で2・1%にとどまり、5%台の欧米や8・1%の中国との開きは大きい
▼直近の22年7~9月期のGDPも実質で年率換算0・8%減となり、2期ぶりのマイナス成長。残念ながら、日本はいまだ経済回復の糸口をつかめないまま、正念場を迎えている。

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