コラム「復・建|日刊紙 日刊建設タイムズ

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2023/11/08

AIでよみがえる新曲

▼2日に発表された英ロックバンド「ビートルズ」の新曲が大きな話題を集めている。40年以上前にジョン・レノンが残したデモ音源に、AIを活用するなどして完成させた〝ビートルズ最後の新曲〟とのことで、筆者も早速聴いた。思いのほか哀感漂うバラード調のラブソングで、ひしひしと胸に迫るものがある
▼タイトルは「ナウ・アンド・ゼン」。1980年に凶弾に倒れたレノンが78年に作曲し、音源はピアノの弾き語りだったが、雑音などが多く混ざっていたため、AIを使ってボーカルだけを取り出し、メンバーのポール・マッカートニーとリンゴ・スターが新たに演奏を加えるなどして曲を完成させた
▼いまや多方面で活用されるAIだが、ビートルズの新曲にまで使われるとは驚きだった。音楽におけるAI利用については、高く評価する意見もあれば、著作権侵害を危惧する声もある。今回の新曲も、94年にレノンの妻オノ・ヨーコから音源を手渡されたマッカートニーは当初、完成させて発表することに躊躇があったというが、最終的には「ジョンにどうするかを聞けば、きっと答えは『イエス』だったはずだ」と打ち明けている
▼レノンとオノの息子ショーンも、この新曲に「信じられないほど感動している」とコメント。そして何より世界中のファンに喜びをもって迎えられたことに、この曲が世に出て正解だったと筆者も思う
▼話は変わるが、ビートルズに比肩する大物ロックバンド「ローリング・ストーンズ」が先月発表した、18年ぶりの最新アルバム『ハックニー・ダイアモンズ』も、想像をはるかに超える素晴らしい出来だった。ミック・ジャガー80歳、キーズ・リチャーズ79歳。そんな高齢にもかかわらず、楽曲には何とも生々しいグルーブ感がみなぎり、聴く者を圧倒する。半世紀ぶりの傑作と評されるのもむべなるかな▼技術の進歩によって聴けなかったはずのものが聴ける、ベテランアーティストの目を見張る健在ぶりに立ち会える。どちらも、心躍る出来事だった。

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