コラム「復・建|日刊紙 日刊建設タイムズ

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2024/04/04

千葉県の将来人口

▼将来人口に関わる推計などの数字を見るたび、少子高齢化や東京一極集中といった課題の深刻さを思い知らされる。多くの場合、そうした推計値に、予想を超える進展の速さを突き付けられるからだ。こうした課題が私たちの未来に大きな影を落としていることは言うまでもない
▼昨年公表された国立社会保障・人口問題研究所の人口集計を踏まえて、ちばぎん総研がまとめた「千葉県の人口動態分析と将来人口推計」によれば、これまで人口増を続けてきた本県も今後減少に転じ、2020年の628・4万人と比べ50年に89%の560万人、70年には77%の486万人に低下する
▼前回(15年)の人口推計に比べると、県全体で多少の上振れが見られたが、これは転入超という社会増の拡大によるものとしており、25年(626・6万人)以降は確実に減少幅が大きくなる
▼中位推計で30年617・9万人、35年606・1万人、40年591・6万人、45年575・7万人、50年560・1万人、55年544・0万人、60年526・0万人、65年506・3万人、70年486・2万人。つまり、20年比では30年後の70年には現在の約4分の3の水準にまで減少する計算だ
▼年齢3区分では、20年人口に対し、0~14歳の人口が50年に約7割、70年に約5割、15~64歳の人口が同約8割、約7割の水準となる。一方で、65歳以上の人口は70年まで高まり続け、人数として最も多くなるのは45年の200・5万人。ただ、年齢構成では45年以降も増え続け、70年には全体人口の36・9%に達する見込みだ
▼地域別の将来人口では、東京湾岸地域が20年比で96%の水準を維持し、常磐・TX沿線地域と並んで高水準を保つ。一方で、銚子・九十九里・南房総地域は50年に58%にまで低下するなど、地域間格差が広がる
▼人口減に歯止めをかけるには、県内への転入促進を進めるとともに、通勤が楽で豊かな暮らしができる居住環境を整えることや、多様性を受け入れる環境づくりに努めることなどが不可欠だ。

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