コラム「復・建|日刊紙 日刊建設タイムズ

  1. ホーム
  2. コラム「復・建」

2024/04/09

周辺に広がる地価上昇の波

喜んでいいのか悲しんでいいのか、受け止めはさまざまだろうが、先月発表された公示地価で、住宅地や商業地など全用途の全国平均が前年より2・3%上昇した。3年連続の上昇となり、2008年のリーマン・ショック以降、最大の上げ幅だという。東京都内のマンション価格は天井知らずの高騰ぶりで、これからマイホームを買おうという方には頭の痛いことだろう
▼その分、比較的手ごろな大都市圏の周辺部にマイホームを求める動きが広がっており、交通アクセスのよい本県の市川市や流山市は、住宅地の上昇率が23年比で10%を超えた。逆に、人口減少が続く外房地域などは下落が目立ち、都市部との二極化がますます顕著になっている
▼県内の住宅地は35市区町で前年より上昇し、価格も県平均で1㎡あたり11万4800円と昨年より6700円上がった
▼東京圏の市区別の平均上昇率では、市川市と流山市のほか、浦安、柏、我孫子、船橋の各市や、埼玉県の蕨市、戸田市で東京23区平均(5・4%)を上回り、その多くは都心まで電車で30~40分のエリアとなっている
▼東京23区以外の東京圏で住宅地の上昇率が最も高かったのは市川市の10・6%で、1㎡当たりの平均額が26万8300円。次いで、流山市の10・1%で同14万9800円。浦安市も9・9%で同35万8000円、柏市も7・9%で12万6200円と、高い上昇率となった
▼特に、新しい戸建てやマンション、アパートが立ち並ぶ流山市の流山おおたかの森周辺は、駅から徒歩5分程度の住宅地で前年より17・2%も上昇し、1㎡あたり32万円に及んだ
▼不動産鑑定士の分析では「低金利の継続による住宅需要が上昇したほか、リモートワークの定着などライフスタイルの変化も影響し、利便性の高い県北西部を中心に地価が高騰した」としている。都心郊外の建売住宅はまだ辛うじて子育て世帯にも手が届く価格帯にあり、都心に比べれば地価が割安なこれらのエリアの人気は今後も高まることが予想される。

会員様ログイン

お知らせ一覧へ