2025/04/01
4年連続上昇の地価
▼2025年の公示地価が発表され、住宅地や商業地など全用途の全国平均が前年より2・7%上昇した。上昇は4年連続で、バブル崩壊後最大の上げ幅となり、コロナ禍以降の回復傾向が改めて鮮明になった
▼訪日外国人客の増加で別荘やホテルなどの需要が増え、海外投資家による再開発への投資も活発になっていることが、全体を押し上げた。一方で、建設費の高騰や人手不足による開発計画の遅れなど、地価の高騰による弊害も出ている
▼千葉県も全用途の平均は前年より5%上昇し、バブル崩壊後最大の上げ幅となった。1都3県では東京に次ぐ高さで、工業地で物流施設などの需要拡大が影響しているとみられる。また、用途別の対前年平均変動率はいずれもプラスで、住宅地4・5%、商業地5・7%、工業地9・9%などと、前年を上回る上げ幅となった
▼住宅地は調査対象53市区町村のうち36市区村で上昇。県平均価格は1㎡あたり12万2900円と、昨年より8100円上昇した。市区町村別で住宅地の平均変動率が最も上昇したのは流山市の13・6%で、次いで松戸市7・7%、浦安市7・6%となった
▼住宅地の平均変動率で流山市がトップになったのは、調査開始以来初めてという。都心部でマンション価格が高騰しているため、都心にアクセスしやすい周辺部でマイホームを求める動きが加速している。一方、下落率が最も大きかったのは昨年に続いて銚子市で、2・7%だった
▼商業地は調査対象50市区町村のうち33市区で上昇。最も上昇率が大きかったのは船橋市の11・5%。また、工業地は調査対象24市区町村全てで上昇し、習志野市の15・8%がトップとなった
▼県内の地価の全体傾向としては、依然として人気駅周辺の需要が高い一方で、地価の高騰や駅近くの不動産の供給源により需要が周辺に広がる傾向にある
▼今後の見通しでは、地価はある程度落ち着くものの、建設費は引き続き高くなるとの見方が強く、建設業界などにとっては悩ましい状況が続く懸念もある。