2026/03/17
「クマなし県」への旅程変更
▼昨年は人の生活圏へのクマの出没が多発し、人身被害や建物への侵入などが大きな問題となった。年明け以降、被害のニュースは少なくなったが、依然として東北地方などで出没が続いている。人里に食べ物があることを学習したクマが冬眠せずに居座っている可能性を、専門家は指摘している
▼昨年11、12月の出没件数は、過去最多だった2023年の2~3倍に及んだが、先月13日には岩手県花巻市で猟友会の男性がクマに襲われるなど、昨年12月~今年2月にも新潟、岩手、山形など8県で15件の「緊急銃猟」が行われた
▼食べ物があり、人に慣れたクマが、今後どのような行動をとるかは見通せないうえ、冬眠したクマが早い時期に目覚める懸念もあり、予断を許さない
▼このような広範囲に及ぶ異常事態を受けて、学校旅行にも影響が出ている。旅程の変更を余儀なくされたり、今年の林間学校の行き先を東北の山間部からクマがいないとされる千葉県に変更する中学校も出ている。冬眠の終わる春以降どうなるのか先が読めず、教育現場や旅行会社も苦慮しているようだ
▼千葉県北部の、ある公立中学は、今年6月に予定している林間学校の行き先を、これまでの福島県から地元の千葉県内に変更した。福島での旅程とクマ目撃情報をつき合わせると、重なる場所が複数あったといい、「安全第一」を考えれば、変更もやむを得まい
▼千葉県は本州で唯一クマが生息していない「クマなし県」とされ、今後は県内外の学校が旅行などの行く先を本県に変更することも考えられる。変更の理由がクマのいる・いないでは申し訳ない気もするが、こうした機会に、多くの人が千葉県を訪れ、その魅力を知ってもらえれば、千葉県民としてはありがたい
▼もちろん、クマ被害など心配せず、以前のようにどこへでも自由に出かけられるのが望ましいことは言うまでもない。とくに教育旅行は、子ども時代にしかできない貴重な体験だ。それがクマ出没のリスクで失われてしまうのは、残念というほかない。











