コラム『復·建』

データでわかった落雷

▼筆者は栃木県の生まれだが、まもなく他県へ引っ越し、千葉へ来てからが長いので、さしたる実感はないものの、栃木県の雷の激しさは両親からもよく聞かされていた。確かに郷里や親戚宅、あるいは旅行などで同県を訪れて雷に遭遇すると、その桁違いの迫力に驚かされる

▼雷の季節はこれまで梅雨明け後だったが、昨今の異常気象で季節を問わず発生し、千葉県でもすでに春以降、遠く近くで鳴り響くその音を何度か耳にしている。今後、本格的な夏となれば、落雷への注意が一層必要となる

▼日本気象㈱のデータに基づく朝日新聞の分析では、1平方キロメートルあたりの落雷数(年平均)で最も多かったのは埼玉県で、4・18回だった。以下、栃木県(3・45)、群馬県(2・66)、東京都(2・59)、茨城県(2・50)と、全国的にも北関東が際立っている。北関東一帯は「雷銀座」などと、ありがたくない呼ばれ方もする

▼雷は積乱雲から電気が流れ出る現象。関東平野は太平洋からの湿った風が集まる「収束」が起きやすく、集まった空気が山々の連なりで行き場を失い、上昇気流が発生して積乱雲ができやすくなる

▼一方で、最も少なかったのは北海道(0・19)で、青森県(0・34)、岩手県(0・42)、宮城県(0・52)と続く。夏でも比較的気温の低い地域は、積乱雲の発生も少なく、落雷の回数も低くなる。ちなみに全国平均は1・01回。千葉県はさらに低い0・76回で、下から数えて8番目だ

▼雷は夏の6~8月に年間の7割以上が発生するが、冬の12~2月に限ると、石川、新潟、福井、秋田、富山、山形の日本海側6県が上位を占める。冬の日本海では水蒸気の水分を大陸からの季節風が運び、海岸にぶつかって雲ができやすいためとされる

▼対策としては、音や光で雷が近いと感じたら、建物や車の中へ逃げ込むこと。雷にとって10㎞は一瞬で移動する距離というから、早めの判断を迫られる。これからのシーズン、気象庁の「雷ナウキャスト」を活用するなどして、雲の動きなどにより注意を払う必要がある。