コラム『復·建』

進化続く「道の駅」

▼「道の駅」ほど著しい進化を遂げた公共施設も珍しいのではないか。右肩上がりで増え続ける登録数もさることながら、その機能も、単なる休憩施設から地域活性化、観光、さらには防災・福祉拠点と多様化の一途をたどっている。立地も地方から都市部へと広がりをみせる

▼制度創設時のコンセプトは「道路にも鉄道駅のようなトイレがある駅があってもよいのではないか」というシンプルなものだったという。機能も当初は、24時間利用できるトイレや道路・交通情報など、道路を通過する利用者へのサービス提供が主な役割だった

▼1993年4月に103駅が登録されたのが始まりで、今年で33年を経過した。市町村などが設置主体となり、国土交通省が登録するもので、今月4日にも新たに3駅が登録され、登録数は現時点で1234駅にまで増えた。

▼2013年度以降は「第2ステージ」として、道の駅が単なる通過地ではなく目的地となるよう、地場産業を扱う商業施設などを充実させた。さらに20年度以降は「第3ステージ」として「地域創生や観光を加速する拠点」と位置付けられた

▼インバウンドを呼び込むため、多言語対応やキャッシュレス決済などの導入目標を掲げたほか、地域防災拠点としての機能も充実度を増している。21年からは「防災道の駅」の選定を始め、これまでに約80駅まで拡大している

▼全国で最も道の駅が多い都道府県は北海道の128か所で、広大な面積と相まって圧倒的な数となっている。ほかに50か所を超えているのは岐阜県の55か所、長野県の54か所

▼首都圏の1都3県では、千葉県が29か所と最も多い。関東圏でも群馬県の33か所に次いで2番目の多さとなっている。ほかに埼玉、神奈川、愛知、兵庫の各県など、比較的都心部が近いエリアでも近年は新設が目立つ

▼災害の頻発・激甚化が著しい昨今では、とりわけ地域防災拠点としての役割が注目される。官民一体で目覚ましい進化を遂げてきた道の駅。その動向に今後も注視していきたい。