2025/10/10
事業者:千葉県
地下水利用の検討を/料金など答申案に賛同/県水道事業運営審
今後の県営水道事業の料金水準と料金体系のあり方について話し合う県水道事業運営審議会の2025年度第3回が9日、県庁本庁舎5階大会議室で開かれた。これまでの議論を踏まえて取りまとめた答申案を議題として話し合い、全ての委員から賛同を得た。答申案では、県が提示した施設整備の進め方、料金引き上げ幅、料金体系案などについて「妥当」と判断。一方で、料金改定直後から切れ目無く財政収支見通しや料金水準を検証し、利用者に理解を求めていくことが必要と指摘。加えて、地下水利用に係る新たな施策などについて検討が求められるとした。
答申案では、料金水準(財政収支見通し、施設整備の進め方、料金引き上げ幅18・6%の妥当性)と料金体系(料金体系の見直し、料金体系案、料金体系に係る諸制度)に言及し、意見を付した。
施設整備の進め方に関しては、施設の目標使用年数を定めて計画的に更新を行いつつ、防災拠点など最重要施設への管路などは目標年数にとらわれず早期に耐震化を行うことについて「妥当」とした。
今後、デザインビルドやウォーターPPPなど官民連携の研究により一層の工期短縮などを図ること、国土強靱化実施中期計画や県上下水道耐震化計画と整合を図りながら積極的に国庫補助金を確保し、施設整備を促進すること、国土強靱化実施中期計画で使用されている「急所施設」など印象的な用語を用い、利用者の耐震化への理解の促進につなげるほか、国の計画と整合させ県の取り組みに対する信頼性を高めることについて、不断の努力を行うよう要請した。
一方で、今回の料金改定が26~30年度の5年を見据えたものであるため、料金改定直後から次の料金算定期間の31年度以降に向けて切れ目無く財政収支見通しや料金水準を検証し、その結果について随時、利用者に理解を求めていくことが必要と指摘。
加えて、国による施設整備に係る財源措置に関する議論の動向や地下水利用に係る新たな施策の検討、県営水道以外の水道事業体も含めた給水区域や用水供給事業・末端給水事業に関する県と市町村の役割分担など、持続可能で効率的な事業運営のあり方などについて考えていく必要があるとした。
物価高騰対策付記/知事に答申書提出
委員の関政幸・県議会議員(自由民主党千葉県議会議員会)は「昨今の物価高騰の中で、水道料金の値上げが県民生活に大きな影響を与えることは間違いない。この度の料金改定とは別に、県民生活支援について議論・検討していく必要がある」と意見。付記事項として答申書に盛り込むこととした。
今後は、委員長の滝沢智・東京都立大学特任教授から熊谷俊人知事に答申書を提出する。その後、料金改定案について県議会の承認を受け、26年度の可能な限り早期に改定を行う方針だ。