2025/05/26
地方にも広がるインバウンド
▼インバウンド客が繁華街や観光地などを歩く姿が、いまや日常となりつつある。それもそのはず、日本政府観光局(JNTO)によると、2024年の年間訪日外国人客数は3686万9900人で前年度比47・1%増となり、過去最高だった19年の3188万2049人を約500万人上回り、過去最高を更新。コロナ禍前以上にまで回復した
▼従来人気だった東京、箱根、富士山、名古屋、京都、大阪などの「ゴールデンルート」は依然として人気が高く、地方への関心も高まってきた。ゴールデンルートは、国際線のアクセスが良好で、観光資源が集中していることが人気に拍車をかけている
▼ただ、地方は明暗が分かれる。アクセスの悪さや観光資源の認知度不足で、客足の回復が遅れている県も多い。一方で、山梨、山形、高知は観光客への周知や定期チャーター便の就航などが功を奏し、訪問者数はコロナ禍前と比べて4割以上(24年4~6月、以下も同じ)も増加している
▼訪日客を空港別にみると、成田空港が275万人と最多で、以下、関西空港238万人、羽田空港160万人、福岡空港86万人などとなっている
▼主な都道府県の訪日客数は、東京が最多の470万人で、以下、大阪365万人、京都274万人、福岡100万人など。ちなみに東京への国別比率は、中国17・5%、米国14・9%、韓国11・3%、台湾10・5%などとなっている
▼千葉県に限ると、コロナ禍前と比較して120%近くまで回復したものの、成田空港を抱える県としては物足りない。東京などへ直行するケースが多く、滞在客数や滞在日時にはまだまだ課題がありそうだ
▼訪日客が期待することとしては、日本食81・2%、ショッピング61・9%、自然・景勝地観光55・4%、繁華街の街歩き54・5%が上位だが、ほかにも日本酒や日本の歴史・伝統文化体験など多岐にわたっている
▼長引く円安で日本のお得感は依然として続いており、この契機を逃すことなく、さらなるインバウンド需要の獲得に努めたい。