コラム「復・建|日刊紙 日刊建設タイムズ

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2026/01/14

左利きへの意識改革

▼最近ドラマなどを見ていると、左利きの人が目につく。気づきやすいのは食事などのシーンだが、3人のうち2人が左利きだったりすると、どちらが左で右か、一瞬考えたりしてしまう。左利きへの抵抗は今ではほとんどなくなったようだ
▼かく言う筆者も左利きなのだが、筆者の世代は、幼少期から「ぎっちょ」などと言われて、しばしば不快な思いを味わった。時代は変わるものと思いつつ、近年の意識の変化がうらやましくもある
▼かつては左利きを〝悪〟のようにとらえる人も多く、何かと偏見めいた言動や視線を受けるだけでなく、「矯正」まで強いる風潮があった。筆者も文字を書くことだけは左から右へ変えさせられた。理由は、英字を書くとき陰になるから、とかだった
▼今考えれば、陰になったからと言ってどれほど支障があるのか、はなはだ疑問だ。しかも今の時代、英字も含めて手書き自体が格段に少なくなった
▼英語圏では左利きが日本よりはるかに多いようだし、おそらくは「矯正」などというものも少なかったのだろう。現に日本は48か国中、最も右利きが多いという統計もあり、これも教育などで少数派の左利きを右利きに矯正させたからだと言われる
▼現在ではむしろ左利きは「個性」「無理な矯正は悪影響」などの理由で矯正しないほうがいいと考える人が9割にのぼる。無理に利き手を変えると、ストレスで精神的な障害を発症するリスクがあるとも言われる
▼現にスポーツ選手は今も昔も左利きが重用されるし、芸術家にも故坂本龍一さんのような才能ある人が多い。大リーグの大谷翔平選手は右利きだが、左打ちで異次元の活躍を続ける▼もちろん、左利きの不便さもないとは言えない。「ハサミが使いづらい」「横書きの時に手が汚れる」「食事で隣の人とひじが当たる」など
▼世の中はまだまだ右利き主流だが、左利きがさらに増えれば、いずれはもう少し左利きにも優しい社会になるのではないか。左利きの者としては、そんな時代の到来を待ち望んでいる。

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