コラム「復・建|日刊紙 日刊建設タイムズ

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2026/01/23

TXで変わる柏の葉

▼計画的で活発な開発によって「まち」の姿はかくも変わるものかと驚くことがある。県内なら、柏市北部の柏の葉キャンパス駅周辺が最たるケースだろう。航空写真などで今と昔を比べれば、これが同じ場所かと見まがうほどだ。文字通り「まち」や「土地」が賑わいある「街」に変貌を遂げたと言うほかない
▼柏の葉キャンパス周辺の沿線は、20年ほど前につくばエクスプレス(TX)が開業したことで、その姿を大きく変えた。TX開業前には、それこそ畑やゴルフ場が広がるばかりの、ほとんど何もない場所だったが、2000年に一帯の約273haで「一体型特定土地区画整理事業」が始まると、県が市とともに基盤整備を実施。05年の航空写真では、TXが貫く地区周辺に区画が整備されつつある様子が見て取れる
▼「公民学が連携した次世代のスマートシティ」をテーマに街づくりが進み、県内有数の「東京のベッドタウン」となった。07年に約600人に過ぎなかった人口も、現在では約1万4000人に達した▼市外からの転居者が6割に及び、区画整理事業終了後の計画人口は2万6000人が見込まれている。24年時点の航空写真からは、TX沿線に中高層マンションが立ち並び、その周辺には大規模な戸建て住宅地が広がっているのがわかる
▼隣接する地区には、東京大学や千葉大学、国立がん研究センター東病院などが進出し、ベンチャー企業も相次いで集まっている。これらの集積で、柏市は新技術や雇用創出などに期待をかけている
▼柏の葉周辺の人口増加で、市の人口は当面押し上げられ、35年の約44万6000人でピークを迎えると見込みだ。その後は減少傾向に転じ、生産年齢人口の割合も低下していく予測だが、市は「その後」も見据え、企業誘致による法人市民税や固定資産税を確保し、市民サービスの維持向上に努める方針を示している
▼目覚ましい発展の後に、どのような未来が待っているか。中長期的な視点に立って街のあり方を考えていく必要がありそうだ。

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